「レイテ戦記」から2023/09/11

大岡昇平の「レイテ戦記」からの引用。
 「山本五十六提督が真珠湾を攻撃したとか、山下将軍がレイテ島を防衛した、という文章はナンセンスである。真珠湾の米戦艦群を撃破したのは、空母から飛び立った飛行機のパイロットたちであった。レイテ島を防衛したのは、圧倒的多数の米兵に対して、日露戦争の後、一歩も進歩していなかった日本の無退却主義、頂上奪取、後方攪乱、斬込みなどの作戦指導の下に戦った、十六師団、第一師団、二十六師団の兵士たちだった。」
 「私はこれからレイテ島上の戦闘について、私が事実と判断したものを、できるだけ詳しく書くつもりである。七五ミリ野砲と三八銃の響きを再現したいと思っている。それが戦って死んだ者の霊を慰める唯一のものだと思っている。それが私に出来る唯一のことだからである。」

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