広田弘毅2023/08/02

 広田弘毅は、1878年2月14日に生まれ、1948年12月23日午前零時20分に亡くなった。この23日に、広田と同期の吉田茂は、国会を解散した。
 東京裁判で絞首刑を言い渡された。デス・バイ・ハンギング(票決は6対5)。
 城山三郎は「落日燃ゆ」で、広田弘毅の生涯を克明に描いた、という。
 東京裁判で絞首刑を宣告されたA級戦犯のうちただ一人の文官。
 相思相愛の妻静子(シズコ)の自害も強烈である。
 死刑囚の板垣と木村が、死刑前にバンザイをするのに広田はマンザイといった。
 広田弘毅への関心が一気に増したこの「落日に燃ゆ」であった。
 この文庫本から一文を引用する。
 和平交渉の望みは消えた。陸軍は、「万歳」の声をあげながら、南は広東めざし、また奥地の漢口めがけて、進撃を続けていく。止めようもない大日本帝国の落日の始まりである。(p296)

78回目の8月15日近づく2023/08/13

 78回目の8月15日が近づいてくる。  最近の体調が思わしくなく、本を読むのもままならない。
 市民図書館から借りてきた2冊の本は、何とか読み終えた。
 マスコミも少しづつこの敗戦に触れているようであるが、現岸田政権とそれにたかる人々の戦前回帰の動向には触れられない。
地元紙の川柳欄に「八月の風いま振り返る鶴彬」を見出した。掲載日 2023年08月12日
鶴彬生誕の地では、彼の俳句が育てた文化が連綿と続いているようだ。  鶴彬通信

隠された爪痕2023/08/15

 関東大震災朝鮮人虐殺記録映画の「隠された爪痕」を見る。 1923年9月1日に関東地方を襲った大地震によって、死者は10万人にも及んだ。
 この時、6500名以上の朝鮮人が、軍隊、警察そして日本人の民衆によって虐殺された。
 この記録映画は、1983年に制作された。
 このドキュメンタリーは、見る者の多くのことを問いかけている。40年たった今でもその問いは発し続けられている。
 流言飛語(蜚語)が今でも起こりそうな状況があるからである。

8月!2023/08/24

 毎年8月には、「戦争と人間」が話題になる。
 8月6日、8月9日そして8月15日。
 昨年2月24日のロシアのウクライナ軍事進攻からすでに1年半が経過した。
 世界のどこかで、紛争が生起し終息する。そこに残るのは、「死」である。
 国家権力は、一個人ではコントロールできないし、民主国家であっても、国民が国家をコントロールできない。 つまり似非民主国家というわけだ。
 今、城山三郎の「大義の末」を読み終え、「硫黄島に死す」を読んでいる。
 この世に生まれ、生きてそして死んでいく。当たり前のことを受け入れるのは難しい。
 8月は、多くのことへの挑戦でもある月で、まだ読み終えていないのが「ヒロシマ ノート(大江健三郎)」である。